CRUST自慢のパン・オ・ルヴァン。香ばしい皮、穀物の深い味と香りを楽しめる。軽くトーストするのもおすすめ
新観光秋田30景に選ばれる名園・勢至公園のほど近くに、2021年7月「ベーカリー&ビストロ CRUST」がオープンしました。営むのは、南オランダ出身のペーターさんと、秋田県出身で13年間オランダで生活してきた真望(まみ)さんご夫妻。店には毎朝約15種の定番パンのほか、季節のパンや、テイクアウトのサンドイッチなどが並び、ご夫妻の笑顔が輝きます。パンの購入だけでなく、軽食のテイクアウト、店内での飲食も可能です。
手前からパン・オ・ルヴァン(470円)、サンドイッチ(450〜720円/写真は720円)、チャバタ(160円)
南オランダは、ドイツやベルギーに挟まれる食文化の豊かな地方です。ペーターさんはそこでシェフとして活躍する傍ら、パン作りを研究していました。そんなペーターさんは、来日して日本のパンの皮(クラスト)が柔らかいことにカルチャーショックを受けたそう。「ナイフがカリっと入る皮の美味しさを伝えたい!」という思いを込めて、店名を「CRUST」(クラスト)に決めました。皮の旨味を堪能できるハードパンを中心に、ドイツ、フランス、イタリア系の本格的なパンを提供しています。
ボリューム満点のスープは週替わりで500円〜。写真は白身魚とミックスビーンズのスープ(800円)
店内飲食のおすすめは、パンの食べ放題が付いた週替わりのスープ。旬の食材をふんだんに使ったスープはボリューム満点!この日は白身魚とミックスビーンズのスープで、タイ・タラ・海老・ひよこ豆・大豆・レンズ豆・タマネギ・サフラン…などなど具がたっぷり。ハーブの爽やかな香りとともに、食材の濃厚な旨味が染み渡ります。海老はぷりぷり、豆はほくほく。パンは力強く歯ごたえあるクラストと、内側のしっとりもっちりした食感が絶妙なバランスです。
とても気さくな真望さんとペーターさん。移住後、市内の獅子ケ鼻湿原や元滝伏流水なども楽しんだそう
2020年9月、ご夫妻は生後6カ月のお子さんと2匹の猫とともに、オランダのリンブルグ州からにかほ市へ移住しました。移住の目的は、子育てとお店の開業。にかほ市を選んだ決め手は、海山の自然に富み子育て支援制度が充実していたこと、自宅兼店舗の理想を叶えられる環境だったといいます。
移住して驚いたことは、日常生活で想像以上に車を使う機会が多いこと。食べ物の違いなどに戸惑いはなく、むしろにかほ市の水が甘くて柔らかいことがうれしかったそうです。
にかほ市の良いところについてお二人は、「オランダの風景は広大な平野だったので、山の緑がゆるやかに秋に色付いていくにかほの景色が美しく、感動しました。それでいて自然と街のバランスが良く、生活に不便せずゆったりした時間を過ごせるところが魅力です」と教えてくださいました。
リノベーションした住宅の一角がCRUSTの店舗。かねてより希望していたテラスもある
ゆくゆくは夜のレストラン営業にもチャレンジしたいという「ベーカリー&ビストロ CRUST」。にかほ市に訪れたら、ぜひ欧州本場のハードパンと南オランダ出身シェフの料理を味わってください。
【ベーカリー&ビストロ CRUST】
大人も子どもものびのび過ごせる、自然と文化のまち、にかほ市。移住前に体験滞在する「プチ移住」もできますので、まずは気軽にお問い合わせください。
取材日:2021年11月
記事中の価格は全て税込みです。